練習記録

ピアノ練習と読書のメモです。

読書メモ『いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学』

https://www.amazon.co.jp/いつも-時間がない-あなたに-欠乏の行動経済学-ハヤカワ-ノンフィクション文庫-ムッライナタン-センディル/dp/4150504830/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1495168058&sr=1-1&keywords=いつも時間がないあなたに

実験は、健康な男性ボランティアを管理された環境下に置き、恒例的な害をおよぼさないぎりぎりのカロリーに抑えた食べ物を与えることから始まる。それを数ヶ月続けたあと、真の実験が開始される。さまざまな栄養の与え方に、彼らの体がどう反応するかを理解するのだ。~

この実験ほど終わることを待ち望んだものは、人生でほかにあまり例がない。しかもその理由は……体がつらかったからではなく、食べ物が人生でいちばん重要になり……食べ物が現実に生活の中心になって、ほかには何もなくなってしまったからだ。ほかには何もないとしたら、人生はほんとうにつまらない。つまり、映画に行ってもラブシーンにはとくに興味がわかず、彼らが食べるたびに何を食べたかに目をつける。~

腹ペコの被験者たちは、好きでストーリーを無視して食べ物に注目したわけではない。好きで食べ物のことをいちばんに考えたわけではない。そうではなく、空腹が彼らの思考と注意を占拠したのだ。~

欠乏は、持っているものがごくわずかだという不満だけにとどまらない。人の考え方を変える。人の心に居すわるのだ。 

例えば、貧しい人にとって金欠にまつわる心配が生じると、徹夜時の睡眠不足よりも認知能力は損なわれるようです。IQ的には「平均」から「知的障碍者の境目」とされる段階まで落ちる可能性があるみたいです。